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男の子とか、女の子とか・7月1日 ※R-18

※R-18、陽介女体化(先天)注意
はじめにあやまっておきます。すみません でした …!
色々とすっとばしてはじめてのえちーです。よく考えたら通常連載でもお初モノ書いてないのに(妄想しすぎて既に書いた気になっていた)、いきなり先天にょたでやるって色々と間違ってますすみません。
話の流れとしては、林間学校で自覚→勢い余って告白→はじめて です。勢い余っての所はまた後で書きます。先天はオムニバス(のつもり)なので、時系列に沿わず書きたいところを書きたい時に書いていく方向なので!
かんぺきに男女のアレなので、なんでもおkという寛容さオカン級の方のみ閲覧をお願いします…。自分痛い子だって自覚は十分にあるので誹謗中傷は勘弁してやってください(>_<)

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 「…あっつい…」
蝉の大合唱に見送られ、漣は陽と共に校舎を出た。日は少しは翳ってきたがまだまだ暑い。今日から7月になったばかりだというのに、既に気温は真夏である。空気は絞ったら水が出そうなほどじっとりと湿っていて、陽はセーラーの襟をせめてもと煽いで空気を入れる。綺麗な鎖骨と、僅かに覗いた下着に漣は体温が無駄に上がったのを感じた。
「花村、四六寄ってかないか?」
「行く行く!アイス食べたい」
漣の提案に陽は笑顔で頷く。体を冷やそうと思っての提案だったのに、また熱が上がってしまった。逃がしきれない熱の篭った目で陽を見ると、こちらを見上げていた彼女と目が合う。互いに一瞬見つめ合い、気恥ずかしくなって同時に目を逸らした。
(ちくしょう、可愛い)
 勢い余って陽に告白し、男女のお付き合いを始めてから一週間ほどが経っていたが、妙に恥ずかしくてまだ重ねるだけのキスと手を繋ぐくらいのことしかしていない。もっと触れたい、近付きたいと思うが、指先が触れただけでもはちきれんばかりの歓喜が渦巻き、おかしくなってしまいそうなのに、どうやって先に進めというのだろう。日々悶々としながらも、とにかく陽と一緒にいたくて漣はできる限り時間を作った。今日もこれから漣の部屋でテスト勉強をする予定である。二人きりで。
 (ふたり、きり)
漣の頭を、先日叔母から送り付けられた破廉恥なプレゼントの存在が掠めた。例のモノは下手に捨てる訳にもいかず、結局は漣の部屋の机の引き出しに仕舞ってある。実はこっそりゴムを付ける練習をしてみたりもした。初めての時に付け方が分からず恥をかくようなことはしたくない。もしかしたら今日使うことになるかもしれない――頭の中で膨らみ出した妄想を抑えるように、漣は慌てて首を振る。視線の先では陽が不思議そうに首を傾げていた。その瞳に自分に対する警戒は全くない。男の獣じみた欲望で彼女を汚してはいけないと思い、漣は必死に己を律した。
「…行こう」
「う、うん」
頬をほんのり桜色に色付かせた陽の手をそっと握り、歩き出す。少し汗ばんだ手はやわらかくて、また体温が上がってしまった。

 

 他愛もない会話を交わしながら商店街へと向かう。四六商店でホームランバーを買い、食べながら歩いていると、急に空が翳ってきた。見上げれば頭上には大きな積乱雲があり、雷の気配さえする。
「やばいな。降りそう」
陽が呟くのとほぼ同時に、ぽつり、と最初の雨粒が降ってきた。瞬きの間に雨は本降りになり、地上を容赦なく水浸しにする。急に風も強くなり、礫は矢のように勢いがあって、痛くて息が詰まるほどだ。
「花村、走って!」
漣は吹き飛ばされそうになっている陽の手を掴み、堂島家へと走り出す。靴が地面を蹴る度に、ぐっしょりと濡れた靴下から水が染み出す不快な感触がした。靴下どころか既に下着までびしょびしょで、ここまで濡れてしまったら少し急いだ所で何も変わらない気がするが、自分はともかく陽を冷たい雨に晒しておきたくなかったのだ。
 程なくして堂島家に着き、漣は鍵を開けて先ずは玄関に陽を押し込む。家の中には人の気配がなく、従姉妹の名を呼ぶが少女は出て来なかった。見れば靴がない。友人の家にでも遊びに行ったのだろう。菜々子が雨に濡れていないことを祈りつつ、漣はその場から動かない陽に声を掛ける。
「上がって」
「や、私、びしょびしょだし」
 白いセーラー服は余す所なく濡れて、完全に下着が透けていた。張り付いた服が細い体のラインを更に強調している。必然的に服の下を想像してしまい、漣は慌てて目を逸らした。
「…ちょっと、待ってて」
靴下だけ脱いで廊下に上がり、洗面所からタオルを掴んで駆け戻る。冷えたのだろう、寒そうに体を縮ませている陽を引っ張り上げ、ふかふかのタオルで包んだ。菜々子にしてやるようにわしわしと頭を拭いてやると、くすぐったそうに彼女は笑う。
「自分でできるって」
「オレがやりたいの。…っと、カバンの中身、早く出した方がいいな」
鞄の中には勉強するつもりで教科書やノートが詰まっている。漣は皮の、陽介はオレンジ色のナイロンのバッグなので多少は水を弾くが、あの豪雨の前では意味がない。慌てて二人で鞄をひっくり返し、少し皺になってしまった教科書などを拭く。甚大な被害がなかったことに安堵したのも束の間、陽が連続してくしゃみをした。
「うー、ちょっと冷えてきたかも」
困ったように笑う彼女の顔は白い。思わず伸ばした手が触れた頬は冷たかった。漣は立ち上がり、陽の背を押して風呂場へ連行する。
「シャワー浴びて。そのままじゃ風邪ひく」
「えと、でも着替えないし」
困惑する陽に、漣は努めて平静に言う。
「…下着は流石にないけど、それ以外は貸せるから。脱いだら制服以外は洗濯機の中に入れて。乾燥機あるから、一時間くらいで乾くよ」
堂島家の洗面所には、古めかしい家屋には不釣合いなほど立派な乾燥機付き洗濯機がある。つい先日、堂島を説得してジュネスで購入したものだ。お日様の匂いを好む菜々子のために晴れた日はできる限り外に干しているが、天気の悪い日が続くことが多いこの土地では乾燥機は重宝する。
 何か言いたそうな陽に手早くタオルと着替えを渡し、漣は部屋に戻って適当な服に着替えた。ぴしゃん、と浴室のドアが閉まった音を確認してから下に戻り、含水量の飽和した自分のシャツやら靴下やらを洗濯機に突っ込んで、一番早く乾燥まで終るモードで回す。
「花村、制服干すから持ってくよ」
「う、うん。サンキュ」
上ずった声と、曇りガラスの向こうに見えたやわらかなシルエットに、体中の血液が沸騰する。男の性とは悲しいもので、脳裏には一瞬にして陽の裸体――勿論、妄想だが――が浮かびあがった。誰も見ていないのに口元を押さえ、漣は前屈みになりながらその場を離れる。
(落ち着け、オレ!!)
 頭を冷やそうと、陽と自分の制服から水気を絞り、形を整えてハンガーに吊るす。陽のセーラー服を見るだけで興奮してしまい、自分の変態具合に漣は泣きたくなった。おかしいくらいどきどきする心臓を持て余しながら、体に染み付いた主夫の惰性で暖かい飲み物と菓子を手早く二人分用意し、教科書やノートと共に二階の自室へ運ぶ。窓の向こうに見えた空は真っ黒で、雷がすぐ近くでゴロゴロと鳴っていた。雨はまさしく土砂降りとしか言い表せないくらいの勢いで振り続いている。止むまでは陽は帰れないし、菜々子も遼太郎も戻ってはこないだろう。二人きりだ。
(だから、落ち付け!オレ!)
 階段を下りると、丁度陽が洗面所から出てきたところだった。
 「あ…その、色々とありがとな」
その破壊力に負けなかった自分を褒めてやりたいと、漣は後で自らを大いに称えた。自分の貸した大きなシャツに身を包み、濡れた髪を項に張り付かせ、火照った頬で上目遣いに見てくる彼女。胸を隠すように片手を肩に当てているのは、下着を着けていないからだろう。
「…二階、行ってて。お茶用意しといたから。オレもシャワー浴びてくる」
辛うじてそれだけ搾り出すと、漣は逃げるように浴室へと飛び込んだ。今さっきまでここで陽がシャワーを浴びていたのかと思うともう限界で、漣は完璧に勃起してしまった己のものを握り込む。数度上下に擦っただけでにあっという間に達してしまい、掌に吐き出された濃い白濁を洗い流して、彼は深い深い溜息をついた。
(どうしよう。オレ、我慢できる自信がない)
 陽は自分を好いてくれている。それは間違えない。だが彼女は女としての自分にコンプレックスを持っている部分があるようで、否応なしに女であることを突きつけられるセックスという行為に嫌悪感を示すかもしれない。陽に嫌われるのだけは何としても避けたいが、彼女に触りたいという欲望も閾値をとうに超えている。
 悶々としていると、突然、どぉん!という大きな音と共に空気が震えた。電気が消え、程なくしてシャワーが湯から水へと変わる。落雷で停電したようだ。いくら頭を冷やすためとはいえ、冷水のシャワーを浴び続けられるほど精神力の強くない漣は、諦めてのろのろと浴室を出た。


 ゆっくりと階段を上り、明かりの落ちた部屋に入ると、陽はソファの上に膝を抱えて座っていた。ローテーブルの上に置かれたカップは半分ほどにしか減っていない。
「お待たせ」
「お、おう」
いつもなら当たり前のように隣に座る、が、漣は今日はあえて向かいのカーペットの上に座った。今彼女の体に僅かでも触れてしまったら、その瞬間に押し倒してしまうだろう。陽は少し寂しそうな顔をしたが、彼女のためと言い聞かせて漣は努めていつも通り振舞う。
「雷、すごかったな。停電なんて久しぶりだ」
「ん…そうだな」
「電気、なかなか付かないな」
 しかしそれきり会話が続かない。お互いがお互いを意識しているのが痛いほど分かる。手持ち無沙汰にカップの中身を啜るが、中身がコーヒーか紅茶か緑茶かももう分からない。それくらい動揺している。
(このままじゃ、ダメだ。言わないと)
えっちさせてください。抱かせてください。セックスしよう。君が欲しい。色々な言葉が頭の中に浮かんでは消える。どれもが陳腐すぎて口にすることができない。必死に頭を回転させている漣の耳に、可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「寒い?」
「だいじょうぶ。ちょっとむずむずしただけ」
陽は笑うが、確かに急な雨のせいで気温が下がっている。半袖では肌寒いほどだ。漣は慌てて箪笥の中から適当な上着を引っ張り出し、陽に被せた。
 
 「っ、あ」

 指先が、触れた。そこから電流が走ったような熱い痺れが体中に蔓延する。もう、限界だった。

 軽い体をソファの上に縫い付ける。陽は困ったような、泣きそうな顔をしていた。ゆっくりと顔を近づけても抵抗はない。長い睫が伏せられ、おずおずとシャツの裾が掴まれる。
「ん…」
重ねるだけのキスえでは済まされない。漣は少女の頤に手を当てて軽く上を向かせ、僅かに開いた唇から舌を進入させた。ぴくり、と陽が震えたのが分かったが、衝動に突き動かされるまま、熱く滑った咥内を貪る。経験のない漣は、どこをどうすれば気持ちいのかなど分からない。我ながら下手だなぁと思いつつも、歯列をなぞり、ざらつく舌を絡め、陽の反応を伺う。キスをしている、その事実だけで陶酔と快感が生まれるが、どうせなら気持ちよくなりたいし、気持ちよくしたい。叔母達に散々聞かされた猥談から役に立ちそうな所だけを必死に思い出し、暫くキスを続けていると、何かが掴めたような気がした。じわり、と情からではなく、触覚による快感が生まれ出す。
「ふっ、ん…」
陽が鼻に抜けたような甘い息を漏らす。一度顔を離せば、薄闇の中で陽は飲みきれない唾液をいやらしく口の端から滴らせ、とろりとした目をしていた。ずくり、と下半身に熱が集まる。激情を抑えて優しく髪を梳いてやると、陽は嬉しそうに、蕩けるように微笑んだ。その表情を見た瞬間、つまらない意地も見得も全てがどうでもよくなって、漣は言葉を飾るのも忘れて言う。
 「…ごめん。オレ、こういうのしたことないから、気持ちよくしてあげられないかもしれないけど。でも花村と、最後まで、したい」
陽は驚いたように目を見開いた後、薄闇の中でも分かるほど顔を赤くしてしどろもどろに呟いた。
「初め、て?ホントに?」
「本当です。すみませんね、見掛け倒しで」
拗ねた素振りを見せると、陽は慌てて「ごめん」と謝罪する。
「だってお前、格好いいし、頭もいいし、性格だってちょっと癖があるけどまぁいいし、女の子にすごい優しいし。めちゃくちゃモテるだろ。今のキスだって、その…だから、もうとっくにそういうの、済ませたのかなって」
「だから、まだだってば。今からしようとしてます。…で、いいの?」
童貞であることを開き直って尋ねると、陽は顔を真っ赤にし、あー、とか、うー、とか唸った後、漣の首にそっと腕を回してきた。抱き寄せられ、体が重なる。胸板の下にやわらかな膨らみを感じ、それだけで漣の下肢は張り詰めた。
「私も、はじめて、だから。お前と、したい」
「…ありがとう」
 歓喜に震える、とはこのことを言うのだろう。つい先日、告白して受け入れてもらった時にも感じた昇天しそうなほどの幸福感と酩酊に、ぶるり、と背筋が震えた。後から後から沸き起こるいとおしさと喜びを己の身の内だけでは昇華しきれず、漣はきゅうと陽を抱き締める。湿った髪からは自分と同じシャンプーの匂いがした。ありふれた花の香りをこれほどまでに馨しいと思ったことはない。
 「怖かったら、言って」
「う、ん」
だぶだぶのシャツの裾から手を侵入させ、すべらかな素肌に直に触れた。それだけで体を震わせる陽が可愛くて仕方がない。荒くなる息を必死に抑え、やわらかなふくらみに触れた。
「あっ…!」
(うわ、やわらかい)
胸は流動性脂肪を薄皮一枚で支えている。言ってしまえばこの柔らかさは脂肪だが、男にとっては夢が詰まっているようなものだ。もっとよく見たくて、漣はシャツをまくり上げて双丘を顕にする。大きくもなく小さいもないそれは綺麗な形をしていて、中心ではピンク色の頂が触って欲しそうに尖っていた。吸い寄せられるように漣は片方を口に含む。
「ふぁ、あ、や」
舌先で転がし、嬲り、軽く歯を立てれば、そこは面白いくらいにぷっくりと膨らんだ。もう片方を脇から掬い上げるように揉みしだけば、甘い吐息が零れ漣を煽る。声を堪えようと口に手を当てて必死に耐えている陽がいじらしくて、漣は一度胸から顔を離すと、そっと彼女の手を掴んで頭上でひとまとめにした。ヘーゼルの瞳が困ったように揺れる。ちゅ、と目元にキスを落とし、そのまま顔をスライドさせて耳朶を食む。
「んっ」
びくり、と陽の体が跳ねた。続いて耳の穴に下を差し込み、じゅくじゅくと音を立てて犯すと、びくびくと断続的に震えが伝わってきた。抑えを失くした唇からは高くか細い悲鳴が漏れている。
「耳、弱いんだ」
「わ、かんな、いっ、あ!やぁ、なんか、へん…!」
自分の愛撫に身もだえる彼女を目の前に、興奮しない男はいないだろう。もっと乱れさせたくて、漣は耳の後ろを舐め、細い首筋を舌でなぞった。首も弱いらしく、陽はまた可愛い声で鳴く。くっきりと浮き出た鎖骨を強く吸うと、赤く小さな痕ができた。キスマークだ。
(つけちゃった)
陽を征服した証のようで、愉悦感に浸りながら漣は次々と所有印を刻んでゆく。その間も陽を愛撫する手は休めず、彼女の反応を探りながら、体中に隈なく触れ、感じる所を見つけてゆく。宝探しのようだと思った。陽はしっかりと感じてくれているようで、もう拘束している手を放してもくったりと動かない。熟れた唇を薄く開き、忙しなく息を吐いている。
「も…お前、ほんとに、はじめて…?」
「うん。気持ちいい?ちゃんと、気持ちよく、してあげられてる?」
今すぐにでも突っ込みたい衝動を堪えて問えば、陽はちいさく頷いた。安堵に漣は微笑み、それを見た陽もふわりと笑った。どうしようもなく幸せだった。
 (そろそろ、かな)
彼の判断を後押しするかのように、その時、ぱっと部屋の明かりが付いた。停電が回復したらしい。視界が急に明るくなり、陽はあられもない自らの格好にこれ以上ないほど顔を赤くする。ソファに押し倒され、露わにした胸元を唾液で濡らし、足の間には男。外見とは裏腹に純粋な彼女には刺激が強すぎたのだろう、陽は両手で顔を覆って「電気、消して!」と懇願した。漣としては彼女の痴態を余す所なく網膜に焼き付けたかったが、陽が嫌がるのであれば無理強いはしたくない。乞われるまま立ち上がり、明かりを落とすと、陽はほっとしたように手を下ろした。
(ほんと、かわいい)
 漣はついでに引き出しの中からコンドームとローションを取り出し、封を切ってサイドテーブルの上に置く。一度風呂場で抜いておいてよかった、と彼は心底思った。今も自身は既に完勃ちに近いが、あれがなかったら陽を気遣うことのできないまま、彼女を犯していただろう。それくらい余裕がない。
 陽は用意されたものが何なのか分かっていないようだったが、上着を脱ぎ、再び圧し掛かってきた漣に下に履いていたジャージを脱がされ、慌てて抵抗を始めた。
「や、ちょっ、待って」
「だめ。待てない」
腰を抱えて下を足から引き抜こうとすれば、思いの外強い抵抗に遭う。正直、陽に殴られたところで大して痛くはないが、漣としてももう限界が近かった。彼はソファに座ると少女の体を抱き上げ、己の膝の上に座らせる。背中から抱き込み、一息にジャージを脱がせ、ついでにシャツも剥ぎ取った。薄闇の中で白い裸体が浮かび上がり、その艶めかしさに陽はぺろりと舌舐めずりする。裸の胸に触れた肌は熱かった。
 「や、だぁ、恥ず、かしい」
必死に足を閉じようとする陽の太股を己の足で割り、そっと秘められた場所に触れる。くちゅり、と音がした。
「っ…!」
陽が泣きそうに息を呑む。彼女が嫌がることを知っていながら漣はわざと口にした。
「濡れてる。感じてたんだ」
「い、言うなよ、ばかっ」
振り返った彼女の怒声をキスで封じ、漣はズボン越しに今にも破裂しそうな自身を陽の秘部に擦り付けた。その硬さが何を示すのか分かったのだろう、文字通り彼女の体が跳ねる。
「大丈夫。オレもだから」
「う…ん」
 忙しなくローションを手に取り、指に絡ませる。身を竦ませている陽の緊張を少しでも解したくて、漣は白い背中に口付けた。
「ふあ!あっ」
「背中も弱いんだ。そんなにどこもかしこも弱くて大丈夫?オレ以外の奴に悪戯されないか、心配」
「ん、な、物好き、お前だ、け!だっ、て」
どこまでも無防備な彼女の発言に、漣はわざとらしく溜息を吐いてみせる。
「花村は無防備すぎ。ハチコーの男達の八割はお前を犯したくてムラムラしてると思って間違えないから。筆頭はオレ。でも、もう誰にも触らせないけどね」
昏い独占欲を滲ませて呟けば、陽はこれ以上ないほど嬉しそうに笑った。馬鹿だ、と思うと同時に、いとおしさが溢れてくる。溢れる気持ちを言葉にするには難しくて、漣はまだキスをした。同時に蜜を滴らせている蕾に指を突き立てる。
 「――!」
悲鳴は唇に吸い込まれ、くぐもった声にしかならない。顔を放して「痛い?」と聞けば、陽はふるふると頭を振った。
「いたく、ない…けど、なんか、ヘン」
「ちょっと我慢してて」
陽の膣の中は熱く滑っていて、ここに自身が入ることを考えただけで爆発しそうになる。尻に当たったものが固くなったのを感じたのだろう、陽が可愛らしく悲鳴を上げた。捕食者の笑みを浮かべながら漣はもう片方の手を股の間に伸ばし、肉芽に触れる。
「ひっ…!」
中を掻き回しながら敏感になっている芽を擦ると、陽は高く甘い声で鳴いた。身悶える度に胸がぷるぷると震え、漣を視界からも煽る。溢れた蜜が彼女の白い足をいやらしく光らせていた。
「あ、ああ、っ、早、く」
「まだ、だめ。花村が傷付く」
指はまだ二本しか入らない。男は入れればイけるが、女は初めてで絶頂を迎えさせるのは難しいと知識では知っているので、できる限り痛みを与えなくなかった。執拗な愛撫に陽は泣きながら首を振る。
「いい、から!お前に、きもちよく、なってほしい」
「…ああもう!」
 漣は再び陽をソファに横たえ、腰の下にクッションを引く。ゴムを手に取り口を開けるが、練習したにも関わらず興奮と緊張で震えて上手くいかない。数度息を吐いて気持ちを落ち着け、爪で破らないように慎重に装着すると、陽の両足を割り、膝裏を掬って持ちあげた。ぬらぬらと濡れる蕾に今すぐ挿入したいのを堪え、漣はもう一度だけ聞く。
「いい?」
陽はおずおずと漣の首に腕を伸ばし、吐息と共に囁いた。
「…うん。きて」


 それから先は、あまり覚えていない。理性も気遣いも全て吹っ飛んで、雄の本能を剥き出しにして陽の体を貪った。一度だけでは飽き足らず、自分だけ二度も達した。陽も全く感じていない訳ではなさそうだったが、体に掛けた負担は大きかっただろう。後始末を済ませ、敷いた布団にくったりと横たわる彼女の横で、漣は下だけを履いた姿のまま正座をし、女神の審判を待っていた。雨はもうすっかり止んでいた。
「……」
「…すみませんでした」
沈黙に耐えきれず、漣はがばり、と土下座をした。叔母達が見たら爆笑していただろう。それくらい情けない姿だった。陽はちらり、と彼氏を見た後、再び枕に顔を埋めてしまう。漣は本気で慌てた。
「ごめん、花村。だってお前があんまりにも可愛いから、我慢できなかったんだ。お願いだから嫌いにならないで。別れるとか言わないよな?」
「……」
「花村、ねぇ、花村」
「………ぶっ」
陽はころり、と寝返りを打つと、涙さえ滲ませ、心底可笑しそうに笑った。
「お前、必死すぎ…!」
「…怒ってないのか?」
困惑しながら尋ねると、陽はとてもやさしい声で言う。
「だって、その、してって言ったのは私だし。お前が、私にそんなに必死になってるってだけで、嬉しかったし。…ちょっと、気持ち良かったし」
言葉尻で顔を赤くする陽を、漣は我慢ができず布団ごと抱き締めた。あやすように背中を叩いてやりながら、陽は続ける。
「今度はもうちょっと、手加減してな」
「また、してもいいの?」
現金に声を弾ませる漣に、陽は返事の代わりに頷いた。漣は彼女を抱く腕に力を込めて呟く。
「オレ、がんばるから。二人で気持ちよくなろう」
「う、うん。私も、がんばる」
 視線を合わせ、微笑む。嵐のような衝動は治まり、今はただ相手を想うやさしい気持ちが心の中に溢れていた。大切にしたい。笑って欲しい。ただただ陽がいとおしい。彼女のためならなんだってできる気がする。
(恋って、いや、もう両想いだから愛、か。すごいな)
彼女を好きになって初めて分かったことが沢山あった。きっとこの先も、陽から数えきれないほどのことを教わるのだろう。楽しことばかりではない、辛いことも苦しいこともあるだろうが、彼女からもたらされるものならば全て受け止めようと漣は誓った。
 (大人の階段とやら、登っちゃったな)
遠くの空の下で、自分を子供だと散々馬鹿にした叔母達が「遅いのよ」と笑っている気がした。




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