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きらきらと・4.5 ※R-18

※R-18
過去のweb拍手お礼小説サルベージです。がんばった後輩の横でむにゃーしちゃうダメな先輩達。洗面台です!

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「ちょ、お前、放せっ――」
風呂場に続く洗面所に押し込められた陽介は、背後からきゅうと抱き締められ言葉を失った。正確には鏡越しに見えた孝介の表情に、だ。
上品な大理石調の洗面台にはめ込まれた大きな鏡。自分の肩と腰に腕を回し、片口に顔を埋める孝介は、情欲に濡れた、それでいて切なげな眼をして自分を見ていた。銀灰の瞳に射すくめられ、ぞくり、と肌が泡立つ。動きを止めた陽介に笑みを漏らし、孝介は不埒な手を動かし始めた。
「ようすけ」
つ、とその長い指がシャツの上を伝い、シャツの上からいたずらに乳首をなぞる。久方ぶりの、とは言ってもゴールデンウィークに合っているので数週間ぶりだというのに、まるで何年も離れていたかのような欠乏感があり、それを少しでも埋めようとしているのが互いに分かった。
(ああ、陽介のにおいだ)
今日一日はなかなかハードに動き回ったため、多少汗の匂いがするが、他の男とは違うあまやかな匂い。匂いはそのまま記憶に直結している。情事の最中の汗ばんだ陽介の姿を思い出し、孝介の下半身に一気に熱が集まった。
「え、ちょっと、何」
ぴたりと体を密着させていたため、尻に当たったものが固くなったのを感じたのだろう。うろたえる陽介に嫣然と微笑んで見せながら孝介は更に手の動きを大胆にする。シャツの裾から手を侵入させ、期待に震える胸の果実を思いっきり摘まむ。痛みに、けれども間違えなく悦びを混ぜて陽介が高い悲鳴を上げた。
「いっ…!やぁ!」
「うそ。陽介、いっつも反対のこと言うから、信じてあげない」
胸でも感じるように仕込んだのは孝介だ。胸の果実を弄られ、陽介は顔を真っ赤にして必死に口を押さえた。
「やっ、完二が、起きちまうだろ…ッ!ここじゃ」
「大丈夫だよ。陽介が大きな声を出さなければ」
孝介は意地悪く笑うと、白く細い項を下から舐め上げた。しょっぱい。けれどもたまらなく興奮する。陽介は体をびくびくと震わせて甘い吐息を漏らした。
「ふあっ…!」
「かわいい」
すっかり体の力が抜けてしまった陽介は、上半身を洗面台に預けるようにして崩れ落ちる。丁度孝介に向って尻を突き出す形だ。孝介は心の中で舌なめずりをした。
「そんなに、入れて欲しいの?陽介のここに、オレの」
「!違うって!」
孝介は素早く陽介のベルトを外し、下着ごとジーンズを膝までずり下ろすと、既に勃起しているものを掌に包みこむ。少し強めに握り込んでやると、陽介は「あぁ」と泣きそうな声を上げて先走りを漏らした。まる見えの後ろの蕾が、手の動きに合わせてもの欲しげにひくついているの見て孝介は笑う。笑みの気配を感じて陽介が泣きそうな顔をしたのが鏡越しに見えた。
「指、入れるよ」
陽介のものを集中に納めたまま、洗面台に置いてあったハンドソープを反対側の指に絡め、慎重に秘部に侵入させる。まだ解れていないそこはきつかったが、孝介の指を悦んで締め付けてきた。前立腺を突いてやると、陽介は面白いくらいに体を跳ねさせ、甘ったるい声で鳴く。もっと乱れさせたくて、孝介は前と後ろを同時に攻めた。
「ああ、んっ、ヤメ、そんなに、されたら…!!」
くちゅくちゅと淫猥な水音と、陽介の荒い息遣いが洗面所を支配する。いやいやと首を振りながらも、彼の腰は快感を貪ろうと浅ましく揺れていた。ぺろり、と唇を舐めて孝介は陽介の根本をきつく握り、後ろから指を引き抜く。衝撃で達しそうになった陽介だったが、孝介の指によって塞き止められているため吐き出すことは叶わない。孝介は素早く前を寛げた孝介は、軽く己のものを扱いてひくつく蕾にあてがった。感じる指とは違う圧倒的な質量と熱に、貫かれる予感に、陽介の体は震える。
「力、抜いて」
ぐ、と先端が押し込まれ、陽介は懸命に息を吐きながら孝介を迎え入れた。いくら体を重ねても、挿入の瞬間だけは慣れない。痛みはあまり感じないし、その先に目も眩むような快楽があると知ってはいるが、異物感は拭えない。苦しそうに眉を潜める陽介をに心苦しさを感じながら、肉欲に突き動かされるまま孝介は自身を一息に突き入れた。
「あ――ッ!!」
「っ、キツ…ッ」
数日と開けず体を重ねていた頃とは違い、陽介の中は痛いほど孝介のものを締め付けてくる。だがそれはそのまま陽介が自分だけを想ってくれていた証拠のようで、孝介の胸に充足感が満ちていった。
少し萎えてしまった陽介のものを、律動に合わせて愛撫する。強すぎる快感に陽介は既に自分の体を支えることができず、上半身を洗面台に預けて懸命に口を押さえていた。完二のことを気にしているのだろう。目尻から零れた涙がきらきらと光っている。覆い被さるようにして雫を舐め取った孝介と、陽介の濡れた瞳が鏡越しに合う。あられもない姿、汗で貼り付いたハニーブラウンの髪、涙と唾液でぐちゃぐちゃに濡れた淫蕩な顔にどうしようもなく劣情を掻き立てられ、孝介は手加減を忘れて突いた。
「!!!っ、ひ、あ、ああ!!」
陽介が堪え切れない嬌声を上げる。きつい肉の締め付けに促され、背筋を駆け抜ける射精感に逆らうことなく陽介の中に迸りを放った。

 


「………俺、本当に、純粋に、お前の部屋が見たかったんですけど…」
シャワーを浴びた後、孝介の部屋に移動してもう一度体を重ねた。裸のままくったりとベッドに横たわり、陽介は擦れた声で呟く。
初めて訪れた孝介の部屋はシックな色彩でまとめられ、きちんと片付いていた。ダークブラウンのフレームのベッド、同色の机と機能椅子。長時間座っても疲れないのがウリの、ジュネスでも扱っているブランドのものだ。大きな本棚には所狭しと本が並んでいる。かと思いきや、棚の上には八十稲羽で作ったプラモデルや見たことのあるぬいぐるみが飾ってあった。ベッドの横に投げ捨てられた二人分のバスタオルだけが浮いているが、孝介自身はこの部屋によく馴染んでいる。だが陽介にとってはここよりも、堂島家の二階の方が彼に合っている気がした。
適当に服を羽織りながら孝介は悪びれない顔で「ごめん」と謝った。シャツに袖を通す背中は相変わらずしゃんとしていて、思わず目を奪われるほど格好良い。こちらに戻ってから体が鈍ったと言っていたが、細身に見えるその体にはまだしっかりとした筋肉が付いていることを先程嫌というほど思い知らされた。陽介は拗ねたように唇を尖らせる。
「お前のその、悪いとちっとも思ってないくせに謝るの、すげームカツク」
「失礼な。陽介の機嫌を損ねたのは悪いと思ってるよ。でもやったこと自体は後悔してない。お前が目の前にいるのに何もしないでいられるか」
「わー、オトコマエ…」
あまりに熱烈に求められ、陽介は赤くなった顔を隠すために茶化すことしかできなかった。だが孝介は相棒の心境などお見通しで、陽介の顔を覗き込んで囁く。ぎしり、と膝を立てられたベッドが軋んだ。銀灰色の瞳にひたと見据えられ、陽介は言葉を失う。ゆっくりと唇が下りてくるのを目を閉じて待った。
「――会いたかった」
触れるだけのキスの後に囁かれた言葉に、陽介はちいさな声で返す。
「俺、も」
孝介はふわり、とやさしく笑う。その大きな手に髪を梳かれ、心地よさに陽介はうっとりと眼を細めた。体の力を抜いて与えられる温もりを享受していると、疲労が波のように押し寄せてくる。瞼が下がり始めたのに気付いた孝介は、穏やかな声で言った。
「陽介も疲れただろう。少し寝てていいよ。りせの出る時間になったら起こすから」
「ん…悪ィ、頼む…」
既に意識の飛びかけている陽介の額にキスを一つ落とし、孝介は上掛けを掛けてやる。布団に包まった陽介はへらり、としまりのない顔で笑った。
「この布団、お前の、においがする」
「………お前、またヤられたいのか」
最後の呟きは聞こえなかったようで、陽介はすぅすぅと健やかな寝息を立て始めた。無防備な恋人に孝介は溜息を吐くと、起きた途端に腹が減ったと騒ぎ出すであろう二人のために台所へと向かったのだった。




END

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