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おしおき① ※R-18

過去のweb拍手サルベージです。なんかもう…すみません
※男性同士の性的描写を含みますので、18歳未満の方、嫌悪感を覚える方は閲覧をご遠慮ください。

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 とっぷりと暮れた鮫川河川敷を、孝介は陽介と並んで歩いていた。
 二人の間には菜々子一人ぶんくらいの隙間。常ならばあるやわらかな空気はなく、代わりに冷たい風が通り過ぎてゆく。会話はない。沈黙が重い。
「…なぁ、孝介」
「何」
耐え切れなくなった陽介が名前を呼んでも、反応は返してくれるが彼の声は素っ気なかった。否、必死に素っ気なくしているようだった。ちらりと向けられた瞳には燃え滾るような怒りと自責があり、陽介は思わずびくりと体を震わせる。孝介は深く溜息を吐くと、いささか乱暴に陽介の手を掴んで早足に歩き出した。

 堂島家に到着し、菜々子への挨拶もそこそこに部屋に連れ込まれる。突き倒すようにカーペットの上に座らされ、陽介は抗議の声を上げようとした。が、できなかった。目の前に仁王立ちする孝介があまりにも恐ろしかったのだ。
「――オレ、庇うなって、言ったよな」
その声は低く、思わず平伏したくなるほどの威圧感があった。しかし陽介とて譲れない。竦み上がる体を叱咤し、彼はきっと目の前の男を睨みつけて反論する。
「言われたってどうにもなるもんじゃねーよ!お前がやばいって思ったら、勝手に体が動いてたんだよッ」
「それで代わりにお前が死んだら意味ないだろうが!!」
 怒鳴った孝介の顔は泣きそうだった。はっと息を呑んだ陽介の前に、孝介は崩れ落ちるように膝を突く。彼はその大きな手で顔を覆い、絞り出すように呟いた。
「…肉が焦げて、腕と足が変な方向に曲がって、目ぇ開いたまま動かなくなったお前にサマリカームかけたオレの気持ち、分かるか」
彼の声には深い嘆きと悲しみ、痛みに満ちていた。きゅうと胸が締め付けられ、思わず陽介は謝罪をする。
「………ごめん……」
彼を庇ったこと自体は後悔していない。だって本当に、体が勝手に動いていたのだ。偽善でも気負いでも義務感でもなく、これから先幾度だって自分は同じことをするだろう。だが、そのせいで孝介が自分を責め、悲しんでいることは申し訳なく思う。おずおずと伸ばした陽介の手を孝介は掴み、引き寄せた体をきつくきつく抱き締めた。
「孝介」
「…オレ、強くなるから。お前や、皆が、オレのことを庇う必要がないくらい。だからもう、庇わないでくれ。オレのせいでお前が傷付くなんて絶対許さない」
 孝介の声は決意を表すように硬かった。口に出した以上、彼は必ず実行するだろう。その強さに惹かれ、焦がれつつも、置いて行かれるようで陽介は寂しくなる。銀糸の髪に指を差し込み、視線を合わせて陽介はきっぱりと言った。
「悪いけど、俺も、お前を庇うのをやめない。お前が傷付くの、見たくないんだ。俺も強くなる。お前と肩を並べてられるように。お前を庇っても死なないように」
「………強情」
ふ、と孝介の纏う空気がやわらかくなった。はぁ、と彼は息を吐き、失わずに済んだいとおしい温もりを確かめるように腕に力を込める。させるがままにしていた陽介は、彼の手が不穏な動きを見せ始めたのに気付き、ぺしり、とシルバーグレーを叩いた。
 「おい!さっきまでの雰囲気はどこ行ったんだよ?!」
「え、ここから先は体で確かめあうところじゃないのか」
「お前な…!」
呆れた陽介が怒鳴ろうとした矢先、コンコン、と控えめなノックの音が響いた。今この家には自分達以外には菜々子しかいない。先程の怒鳴り声を聞き、心配になって様子を見に来たのだろう。慌ててドアを開けて少女を迎え入れ、二人は必死に仲直りをしたアピールをした。二人の間に流れる空気に鋭いものがなくなっているのを感じたのか、菜々子は安心したように微笑んで去ってゆく。ドアを閉めて息を吐き、二人は顔を見合せて笑った。
 「菜々子ちゃんには、叶わねーな」
「ああ」
陽介は向かい合った恋人の胸に倒れ込み、その逞しい胸に顔を埋める。暖かい。布越しでも互いの心臓の鼓動が伝わってきた気がして、二人は暫くそのまま抱き合っていた。
 「…陽介」
「ん?」
少し顔を放して顔を覗き込めば、孝介は至極真面目な顔をして、言った。
「オレがお前のことを大切に思ってるように、お前がオレのことを大事にしてくれてるの、よく分かった。でも…やっぱり、庇われたこと、納得できない。頭ではフェアだって分かってるけど、感情が付いてこないんだ。だから」
陽介は孝介の言葉を必死に咀嚼する。孝介は自分の心を整理するために、何かを求めているのだろう。彼は絶対に自分を傷付けるようなことはしない。求められるのならば応え、何だって与えてやりたい陽介は、誘うように微笑んで先を促す。
「いーよ」
「…じゃあ、お仕置き、させて。オレが嫌だって言ったのに、オレを庇ったいけない陽介に」
言質を取った、とばかりに恋人は口の端を吊り上げた。




 「ん、ん――ッ!」
陽介は必死に声を出そうとした、が、口からはくぐもった音が漏れるだけだった。猿轡のようにぐるりと回されたタオルが発声を阻害している。それだけではない、右手首は右足首と、左手首は左足首と包帯で固定されており、M時に足を開いた状態で彼はソファの上に座らされていた。上半身はそのままなのに、下肢は何も纏っていない。そして、彼の股の間からは絶えずバイブレーションの音が響いていた。
(なんで、なんでこんなことに…!)
ローションを塗りたくられた陽介の秘所には、アナルバイブが突っ込まれていた。孝介のものよりは細いそれは先端を絶えず回転させ、前立腺を刺激し続けている。孝介に開発された体は後ろだけでも感じてしまうが、彼に突かれている時の嵐のような快楽には及ばない。それでも、触られてもいない自身は完全に勃起し、だらだらとはしたなく先走りを垂らしていた。滴った体液が竿を伝い、袋を濡らし、尻まで伝ってソファを汚している。イきたいのにイけない。吐き出せない熱が体中で渦巻き、膨張し、おかしくなってしまいそうだ。
 「ン、んッ、う」
滲んだ涙がいやに目に滲み、頭を振った陽介は、己の下肢を見てしまい絶句した。性器を張り詰めさせ、一つしかない穴におもちゃを突っ込まれ、その姿を孝介の前に晒している。彼はローテーブルを挟んだ反対側で、何食わぬ顔で宿題をしていた。つまりはこの姿を彼に正面から見られているのだ。
 孝介はずっとこちらを見ている訳ではない。けれども時折、舐めるような肉欲に満ちた視線を感じる。恥ずかしくて隠したいのに、手と足を縛られているせいで足を閉じることができず、陽介は膝頭を擦り合わせることしかできなかった。
「んー、っ、うう!」
やめて、と、抜いて、と、必死に懇願するが孝介は聞いてはくれない。何とかして体を苛む機械を抜こうと腹に力を込めると、腹圧に押されてバイブが少し動いたのが分かった。しかし同時に感じる所を擦られ、陽介はびくりと体を跳ねさせる。
「んっ…!」
 胡乱になってきた頭は、達することしか考えられなくなる。抗うことをやめ、バイブが少しでもいい位置にあたるよう腰を動かし始めた陽介を嘲笑うかのように、孝介はくすりと笑った。
「陽介。腰、揺れてる。イきたいの?」
ようやく反応を返してくれた恋人に、首がもげるのではないかというほど必死にこくこくと陽介は頷いた。にこり、と孝介は微笑み、ローテーブルに片手を突いて、もう片方の手でバイブの持ち手を握る。直腸を傷付けないようゆっくりと引き抜かれ、苛んでいた圧迫感が緩み気を抜いたのも束の間、孝介はいきなりバイブを根本まで押し込んだ。
「――!!!」
強すぎる衝撃に目の前が真っ白になる。自身が弾け、熱い精液が腹を濡らしていることに陽介は気付かなかった。達したことも分からないまま声にならない悲鳴を上げる陽介を見て、孝介は舌なめずりをする。
「後ろだけでイけたね。おめでとう、陽介。そんなにバイブが良かったんだ。じゃあ今日はそれに気持ちよくしてもらおうか」
 孝介はバイブの振動を一番強いものに変えて抜き差しを始める。達したばかりだというのに再び首をもたげ始めた自身の浅ましさに陽介は泣きたくなった。
「陽介の後ろの穴、皺が全部伸び切るくらい広がってバイブ咥えてるよ。でもこれじゃ足りないよね?だっていつも、もっと大きいの挿れられて悦んでるし」
ローションと垂れた先走りでぐちゃぐちゃになった結合部分を指で撫でられ、陽介は悲鳴を上げた。体が跳ね、拘束された手足が擦れて痛んだ。
「ホントはね、機械とはいえ、陽介のココにオレ以外の挿れたくなかったんだけど。お前がどんな顔して犯されてるか、一度じっくり観察したくて。だって触れたら夢中になっちゃうから」
酷いことをされているのに、上擦った声で彼が呟くだけで体が熱くなり、許しそうになる。けれども、いつもは触れてくれる彼の体温がないことがたまらなく寂しかった。陽介は必死に訴えようとしたが、口に巻かれたタオルのせいで声を出すことは叶わない。息苦しさも相まって、眦からぽろりと涙が零れる。孝介は困ったように首を傾げた。
「取って欲しい?声、抑えられる?」
こくり、と頷けば、横着してローテーブルを跨いできた孝介によって、唾液でぐっしょりと重くなったタオルが外された。空気を肺いっぱいに吸い込み、吐き出した後、陽介は恋人の名を呼ぶ。
「こう、すけ」
「ん?」
 自分を縛って犯しているのに、彼は蕩けそうなほどやさしく、甘い眼差しを向けてくる。その瞳の奥に獣じみた情欲の気配を感じ取り、陽介は浮かされるようにして口にした。
「これじゃ、ヤダ。お前のが、いい。お前、の、挿れて…っ」
孝介はふわり、と微笑んだ後、「だめ」と心底嬉しそうに言う。
「それじゃお仕置きにならないだろ?…ああ、でも、オレをその気にさせてくれたら考えなくもないけど」
 ベルトを外す金属音、ジッパーを下ろす音が聞こえたかと思うと、赤黒く脈打つ孝介のものが陽介の眼前に取り出された。それは綺麗な彼の顔からは想像できないほど、大きく、そしてグロテスクに勃起している。今バイブが挿っている部分にいつもこれが入れられているのかと思っただけで、陽介はずくりと腰が疼くのを感じた。
 両手足を縛られているため、必死に首を伸ばして彼のものに顔を近付ける。濃い雄の臭いに嫌悪感を覚えるどころか興奮してしまった自分は、もう後戻りのできない所まで来ていると陽介は自覚した。ぱくり、と口を開けて先端を口に含む。行為自体は初めてではないが、どちらかといえば自分がされることの方が多く、彼は滅多に奉仕させてくれない。孝介の舌使いを思い出し、陽介は懸命に舐め、しゃぶり、擦った。
「んっ…む、う…」
「っ、陽介、上手になったよね」
彼の大きな手に頭を掻き回され、掠めるように耳を愛撫される。陽介は耳が弱い。反射的に体に力が入り、胎内に入れたままのバイブを締め付けてしまい、陽介は甘い吐息を漏らした。孝介は可笑しそうに笑い、情事の時だけに出す低い、脳髄を犯すような淫蕩な声で囁く。
「オレの咥えて、下にも突っ込まれて、触ってないのに陽介の、ぱんぱんだよ。淫乱だね」
「なっ…」
反論の暇を与えず、孝介は腰を使い出した。顔を手でがっちりと固定され、陽介のついてゆけない速さで抜き差しされる。喉の奥を猛った彼ので突かれ吐きそうになったが何とか堪えた。しばらくして孝介自身がびくびくと脈打ち、口の中に苦くて熱い液体が注がれる。咥内から己のものを引き抜いた孝介は、慌ててソファの上に投げられていたタオルを当てて「出していいよ」と言った。
 結局、この男は甘いのだ。もっと乱暴に、壊れるくらい酷くされても構わないのに、根底には自分に対するどうしようもない甘さがある。それが狂気に変わることがあるのも知っているが、何をされても彼ならば許してしまうというのに、冷徹に、残酷になり切れない。だからこそ彼が愛おしいのだが。
 陽介はこれ以上ないほど顔を顰め、あまりの不味さに涙さえ浮かべながら、孝介の精液を全て飲み下す。孝介は驚いたように目を見開いた。
「無理、しなくていいのに」
「ばーか。…お仕置き、なんだろ?」
言外にもっと酷くしていいと告げれば、余すことなく孝介は受け取り、にやり、とその整った相貌を歪めた。
「明日、学校に行けると思うなよ?」
「その言葉、そっくりそのまま返してや…ぅあ!」
 孝介は乱暴に陽介の後ろにを苛んでいたバイブを引き抜く。手足を縛られたままソファの上にひっくり返され、まだ硬度を保っていた彼のものを突き立てられ、陽介は羞恥も外聞も忘れて喘いだ。
「あ、あッ、ん、ひ――!」
「もうイきそう?だめだよ、そんなにすぐイっちゃ。お仕置き、なんだから」
銀灰の瞳が怪しく光る。今夜は眠らせてもらえなさそうだった。



END

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