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きらきらと・3.5 ※R18

※R18
※加筆修正版
「きらきらと」は一応完二視点なので、完二が寝ている間にいけないことしちゃう先輩たちのお話は間章にしました。この話に主花はなくても…という方は飛ばして次の4へお進みください~

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 我慢できない。
 今の自分の心境を表す言葉はこれしかない。完二が寝入った後、ようやく二人きりで向かい合う時間が取れ、孝介は吸い寄せられるようにキスをしていた。
 勿論、キスだけで終われる訳がない。すぐにでも抱きたいのだと告げれば、羞恥芯の強い恋人は先にシャワーを浴びたいと言ったので、願いを叶えてやることにした。ただし、二人で一緒に、だが。
「ちょ、お前、放せ――」
 風呂場に続く洗面所に押し込んだ陽介は、背後からきゅうと抱き締めると言葉を失った。正確には鏡越しに見えた孝介の表情に、だ。
 大理石調の洗面台に嵌め込まれた、大きな鏡。恋人の肩と腰に腕を回し、片口に顔を埋める自分は、欲に濡れた、それでいてやけに切なげな眼をしていた。そして、陽介の瞳にも同じ色がある。口の端を吊り上げると、快楽の予感に捕えた体が震えた。
 「ようすけ」
つ、と布地越しに乳首をなぞる。久方ぶりの、とは言ってもゴールデンウィークに合っているので数週間ぶりだというのに、まるで何年も離れていたかのような欠乏感があり、それを少しでも埋めようとしているのが互いに分かった。
 (ああ、陽介のにおいだ)
今日一日はなかなかハードに動き回ったため、多少汗の匂いがするが、他の男とは違うあまやかな香り。匂いはそのまま記憶に直結している。情事の最中の汗ばんだ陽介の姿を思い出し、孝介の下半身に一気に熱が集まった。
 「え、ちょっと、何」
ぴたりと体を密着させていたため、尻に当たったものが固くなったのを感じたのだろう。うろたえる陽介に嫣然と微笑んで見せながら、孝介は手の動きを大胆にする。
 シャツの裾から手を侵入させ、期待に震え双丘の頂を思いっきり摘まむ。痛みに、けれども間違えなく悦びを混ぜて陽介が高い悲鳴を上げた。
「いっ…! や、だ」
「うそ。陽介、いっつも反対のこと言うから、信じてあげない」
 胸でも感じるように仕込んだのは自分だ。胸の果実を弄られ、陽介は顔を真っ赤にして必死に口を押さえた。
「やっ、完二が、起きちまうだろ…ッ! ここじゃ」
「大丈夫だよ。陽介が大きな声を出さなければ」
 孝介は意地悪く笑うと、白く細い項を下から舐め上げた。しょっぱい。だが、たまらなく興奮する。陽介は体をびくびくと震わせて甘い吐息を漏らした。
「ふあっ…!」
「かわいい」
 すっかり体の力が抜けてしまった彼は、上半身を洗面台に預けるようにして崩れ落ちる。丁度尻を突き出す形だ。孝介は心の中でした舌なめずりをした。
「そんなに、挿入れて欲しいの? 陽介のここに、オレの」
「! 違うって!」
 素早く陽介のベルトを外し、下着ごとジーンズを膝までずり下ろして、既に勃起しているものを左の掌に包み込む。少し強めに握ってやると、陽介は「あぁ」と泣きそうな声を上げて先走りを漏らした。
 後ろの蕾が、手の動きに合わせてもの欲しげにひくついているのがまる見えで、浅ましくもいとおしい反応に孝介は微笑む。笑みの気配を感じた陽介が、泣きそうな顔をしたのが鏡越しに見えた。
 「指、挿入れるよ」
陽介のものを掌中に納めたまま、洗面台に置いてあったハンドソープを右手の指に絡め、慎重に秘部に侵入させる。まだ解れていないそこはきつかったが、孝介の指に悦んで絡み付いてきた。
 前立腺を突いてやると、陽介は面白いくらいに体を跳ねさせ、甘ったるい声で鳴く。もっと乱れさせたくて、孝介は前と後ろを同時に攻めた。
「ああ、んっ、ヤメ、そんなに、されたら…!!」
 くちゅくちゅと淫猥な水音と、陽介の荒い息遣いが狭い空間を支配する。いやいやと首を振りながらも、彼の腰は快感を貪ろうと淫蕩に揺れていた。
 ぺろり、と唇を舐め、孝介は陽介の根本をきつく握り、後ろから指を引き抜く。衝撃で達しそうになった陽介だったが、孝介の指によって塞き止められているため吐き出すことは叶わない。素早く前を寛げ、軽く己のものを扱いて、更なる熱を待ち侘びている蕾に宛がう。指とは違う圧倒的な質量に、貫かれる予感に、陽介の肌は粟立った。
 「力、抜いて」
ぐ、と先端が押し込むと、陽介は懸命に息を吐きながら孝介を迎え入れた。いくら体を重ねても、挿入の瞬間だけは慣れないのだと彼は言う。痛みはあまり感じないし、その先に目も眩むような快楽があると知ってはいるが、異物感は拭えないのだと。苦しそうに眉根を寄せる恋人に心苦しさを感じながら、肉欲に突き動かされるまま孝介は自身を一息に突き入れた。
 「あ――!!」
「っ、キツ…ッ」
数日と開けず体を重ねていた頃とは違い、彼の中は痛いほど孝介のものを締め付けてくる。だがそれはそのまま陽介が自分だけを想ってくれていた証拠のようで、孝介の胸に充足感が満ちていった。
 少し萎えてしまった陽介のものを、律動に合わせて愛撫する。強すぎる快感に彼は既に自分の体を支えることができず、上半身を洗面台に預けて懸命に口を押さえていた。
「んっ、んん…!」
「よく眠ってるから、少しくらい声出しても平気だよ。唇が切れるから、あんまり噛み締めないで」
 耳元で吹き込むように言えば、耳だけで達せるのではないかというほど弱い彼はそれだけで快感に悶えた。
(かわいい)
 陽介は、本当に可愛い。格好いいのも、強いのも、やさしいのも知っているが、こうして自分に貫かれ、感じている彼はひどく庇護欲と征服欲を煽る。甘やかしたいと思うと同時に、どうしようもなく虐めたくなる。
 目尻から零れた涙がきらきらと光っている。覆い被さるようにして雫を舐め取った孝介と、陽介の濡れた瞳が鏡越しにかち合った。
 あられもない姿、汗で貼り付いたハニーブラウンの髪、涙と唾液でぐちゃぐちゃに濡れた淫猥な顔にどうしようもなく劣情を掻き立てられ、孝介は手加減を忘れて突いた。
「!! っ、ひ、あ、ああ!」
 陽介が堪え切れない嬌声を上げる。うねる内壁に促され、孝介は背筋を駆け抜ける射精感に逆らうことなく中に迸りを放った。




 「………ひでぇよ、お前。手加減ナシかよ…」
裸のままくったりとベッドに横たわり、陽介は擦れた声で呟く。情事の痕が色濃く残る肢体をなるべく視界に入れないよう努めながら、孝介はベッドから出た。
 シャワーを浴びた後、部屋に移動してもう一度体を重ねた。勢いのまま昇り詰めた一回目とは違い、二回目はゆっくりと、しつこいくらいに時間を掛けて陽介を溶かした。泣きながら解放を懇願され、先程ようやく交わりを終え、後始末を済ませたところだ。
 陽介が始めて訪れる自室は、当座の住まいとして用意された堂島家の居室とは違い、家具や色彩が統一されている。ダークブラウンのフレームのベッド、同色の机と機能椅子。大きな本棚にはきっちりと本を並べてある。あちらで作ったプラモデルや、入手したモコイ人形は持ち帰ってきたが、雑多だった八十稲羽の部屋に比べると整い過ぎていて、少し寂しく感じていた。
 だが、ここに陽介がいるだけで、寂寥など一気に吹き飛んだ。少し広めのベッドも、効き過ぎるくらいのエアコンも、彼と共に過ごすためだと思えば意味のあるものに思える。
 適当に服を羽織りながら、孝介はご機嫌斜めの愛しい人に「ごめん」と謝った。正直なところ、あまり悪いとは感じていない。肉体的な負担を掛けたこと自体は反省しているが、遠距離恋愛中の恋人と触れ合える僅かな時間に愛し合う行為が咎められるものだとは思っていないからだ。
 少々屈折した己の心の内を理解している陽介は、唇を尖らせて言う。
「お前のその、悪いとちっとも思ってないくせに謝るの、すげームカツク」
「失礼な。陽介に無理させたのは悪いと思ってるよ。でもやったこと自体は後悔してない。お前が目の前にいるのに何もしないでいられるか」
「わー、オトコマエ…」
 彼はストレートな言葉に弱い。陽介は赤くなった顔を隠すために布団の中へ逃げ込もうとしたが、孝介は許さなかった。ベッドマットに膝を突き、ヘーゼルの瞳をひたと見据える。動きを止めた陽介にゆっくりと唇を落とし、触れるだけのキスをした。
 「――会いたかった」
唇を放した後に囁けば、彼もちいさな声で返してくれる。
「俺、も」
 孝介は微笑んだ。しあわせだった。
 布団の上から細い体を抱き込み、ぐしゃぐしゃになった髪を手櫛で梳いてやる。陽介はうっとりと眼を細め、体の力を抜いた。寄せられる全幅の信頼を、預けられたぬくもりを享受していると、彼の瞼が落ち始める。夜行バスでの移動に、今日一日の強行軍、締めには受け手に負担の大きいセックスをさせたのだ。疲れて当然だろう。
「寝ていいよ。りせの出る時間になったら起こすから」
「ん…悪ィ、頼む…」
 先程までの嵐のような情欲は成りを潜め、代わりにおだやかな慈しみだけが湧き上がってくる。既に意識の飛びかけている情人の額にキスを一つ落とし、孝介は上掛けを掛け直した。
 布団に包まった陽介はへらり、と、締まりのない顔で笑う。
「この布団、お前の、においがする」
「………お前、またヤられたいのか」
最後の呟きは聞こえなかったようで、彼はすぅすぅと健やかな寝息を立て始めた。
 無防備な恋人に孝介は溜息を吐くと、起きた途端に腹が減ったと騒ぎ出すであろう二人のために、台所へと向かったのだった。



END

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