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コレクトインコレクト・1 ※R-18

※R-18、女装注意
陽介とおてて繋いで街中でちゅっちゅしてあーんしたりされたりプリクラ撮ったりしたい乙女思考の主人公が、陽介を女装させて沖奈でデートという大変イタい話です☆花村氏の尊厳とか人権とかはどこへ。
ただの女装デートと思いきや連れ込みです。しかも前フリが長くすぎて前後に分けた上、両方ともエロありとかどうしてしまったんだ自分というかんじです。

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ガラスの向こうで、青になった信号を一斉に人々が渡っている。土曜の朝といえども沖奈の街には多くの人がいた。自分もその一人だが。
ファーストフードの店内は温かい。オール明けの若者や、徹夜明けのサラリーマンなどが、空腹を満たすためにモーニングメニューをぱくついている。日中よりも活気はないが、その分、落ち着いて辺りを観察することができた。例えば、ガラスに映る自分の姿だとか。
ハニーブラウンの髪はえりあしウィッグをつけられ、今はセミロング丈まで延ばされている。喉仏を隠すように首元にふんわりと巻かれた白いニットのストールと、おそろいのゆったりとした白のロングセーター。いつものデニムとブーツは変わらないが、それがかえって落ち着かない。
眉は元々自分でも整えていたが、いつもよりも柔らかなタッチに書き換えられ、目元や口元によく分からない化粧を施された。いやに目がぱっちりしている気がするし、唇はなんだか艶々している。冷たいガラスに写る自分の顔は、悔しいことに何の違和感もなく「女性」に見えた。
(孝介…ぶっ飛ばす…!)



**********



朝6時、堂島家。
季節は秋から冬へと移ろい始めている。稲羽は山間だけあって朝晩は特に冷え込み、上着なしでは震えてしまうほどだ。眠気は寒さのせいでどこかへ行ってしまった。
かじかむ手を擦り合わせ、陽介はインターホンへ手を伸ばした。が、まだ寝ているであろうこの家の親子のことを思い出し、指先を引っ込め代わりにポケットに突っ込んだ携帯電話を取り出す。発信履歴の一番上にある番号をコールするよりも早く、引き戸の向こうに人影が見えた。程なくして扉が開き、既に着替えを済ませた孝介が姿を現す。
「おはよう。朝早くから悪いな。とりあえず上がれよ、暖かいお茶でも入れるから」
「うーす。お邪魔シマス」
孝介以外の住人はまだ寝ているのだろう、孝介の声は潜められている。つられて陽介も小声になりながら、なるべく音を立てないよう玄関をくぐって扉を締め、靴を脱ぎ、階段を上って勝手知ったる親友の部屋に入った。
暖房を入れておいてくれたのだろう、温かい空気に体が解れる。脱いだ上着をソファの背に適当にかけ、陽介は部屋の主を待った。
「お待たせ。外、寒かっただろ」
湯気の立つマグカップを二つ手に持ち入ってきた孝介は、一つを陽介に差し出しながら言う。「サンキュ」と礼を言って受け取り、一口含んだ後、陽介は尋ねた。
「なぁ。なんでこんな早くに呼び出したんだ?俺、沖奈に行くとしか聞いてねーんだけど。つか沖奈だったらこんな早くに出る必要ないじゃん」
花村陽介は月森孝介に絶対の信頼を寄せているが、気になるものは気になるのだ。孝介は回答の代わりに花も恥じらうようなうつくしい笑顔を見せると、ソファの後から何やら紙袋を取り出した。正直、嫌な予感がした。
「あ、俺、やっぱり今日はバイトが…」
「陽介。次の期末テスト、俺が一切手を貸さないでいいんなら帰ってもいいよ」
「ヒドっ、早速脅しかよ!つか脅さないと俺が嫌がるような内容なんだ?!なぁ俺達親友だろ、相談とか選択の自由とかそういうのはないワケ?!」
「ない」
孝介は綺麗を通り越して凄味のある笑顔を向けると、ただ一言告げた。「脱げ」と――。




**********



およそ一時間前の出来事を正確に思い出し、陽介はこめかみを押さえた。あの後陽介はあれよあれよという間に女装させられ、電車に乗せられて沖奈へ連行されたのである。駅に着くまで、見知った顔に見られやしないかと始終緊張を強いられたが、土曜の早朝で人気がないのが救いだった。
まっとうな男子高校生である陽介にとって、女装をして街を歩くなんて恥以外の何物でもないが、いくら嫌だと訴えても孝介は聞く耳を持ってくれなかった。それどころか上機嫌で手を繋ぎ、あまつさえ堂々とキスまで仕掛けてくる始末である。苦情を申し立てても、「大丈夫、今陽介は女の子にしか見えないから」としか返さない。そんなことあるか!と食ってかかったが、暖簾に腕押し、糠に釘で現在に至る。
(まぁ、これならまじまじと見られなければバレなさそうだな…って、何ちょっと安心してんだよ俺!)
堂島家で鏡を向けられた時は羞恥から己の顔を見ることができなかったが、ガラスに映る自分の姿はどこをどう見ても女性である。ひとまず、街中で後ろ指を指されることだけはなさそうだ。化粧の力の偉大さを陽介は身をもって体感した。
しかし恥ずかしいものは恥ずかしい。だって自分は男なのだから。陽介は世界から顔を隠すように俯いた。
ふ、と目の前に影ができる。孝介が帰って来たのかと思い、文句を言ってやるつもりで顔をあげると、そこには見知らぬ男が数名立っていた。年は自分より少し上、大学生くらいだろう。徹夜明けのハイテンションなのか、あまりよろしくない笑みを浮かべてこちらを見下ろしている。
「君、一人なの?よければ一緒に朝メシ食べない?」
陽介は呆気に取られて男達を見た。男が男の自分をナンパしているのだ。普通に断りかけたが、声を出す直前に今の自分の状態を思い出し、陽介は慌てて首を振る。いくら見た目が女でも、声ばかりはどうしようもない。ここで男だとバレたら羞恥で憤死してしまう。二度と太陽の下を歩けないに違いない。
あまりに必死に頭を振る陽介に、男達は「カワイー」などと言うだけで、一向に退いてくれる気配はない。それどころか益々近寄ってくる。じりじりと後退りながら、陽介はレジに並んでいる相棒へ必死に視線を送った。
祈りが天に通じたのか、トレイに二人分のモーニングセットを乗せた孝介がタイミングよく現れ、陽介は安堵の溜め息を吐いた。タン!と荒っぽくトレイをテーブルに起き、孝介はシャドウをも竦み上がらせる視線で男達を一瞥する。何の訓練も積んでいない人間が耐えられるはずもなく、彼らは小さな悲鳴と共に一目散に逃げ出した。
「…バカっ!おせーんだよ!!」
席に着いた孝介に顔を近付け、小声で――男声であることが周りに聞こえないようにだ――憤慨する陽介に、孝介は心底申し訳なさそうに謝る。
「ごめん。レジの人、新人で作業が遅くて。まさか5分かそこら目を離しただけで、ナンパされるとは思わなかった。次からは片時も目を離さないから安心して」
「………………………あ、そう」
論点がずれている気がしてならないが、今の孝介に何を言っても無駄だと悟って、陽介は適当に相槌を打った。苛々するのは空腹のせいかもしれない。孝介に奢らせたソーセージエッグマフィンに手を伸ばし、包装紙を向いてかぶりつく。モーニングメニューは密かに好物なのだが、ジュネス八十稲羽店のファーストフードは早朝営業していないため、滅多に食べられない。口の中に小麦とバター、ソーセージと卵の味が広がり、陽介の機嫌は少しだけ上方修正された。
「陽介。念のため聞くけど、何もされてないよな?」
「はぁ?オトコがオトコに何すんだよ?お前じゃあるまいし」
思わず声を顰めるのを忘れて返すが、幸いにして周りの席に客はいなかった。再び機嫌が降下し始めた陽介とは反対に、孝介は益々機嫌が良さそうである。向かい合った席で、陽介が食べる様子をまるで親が雛鳥を見つめるかのごとく視線で見つめており、正直言ってかなり気持ち悪い。無視を決め込んでいた陽介だが、マフィンを半分まで食べた所で我慢ができなくなり、ついに口を開いた。
「……なぁ。なんで女装なんてさせるんだよ。やっぱり、その、オンナの方がいいんだろ?だったらこんな惨めなことさせないで、ハッキリ言ってくれよ。そしたら、俺…」
一言一言、口にするごとに、自分の言葉が刃となって心を削ってゆく。孝介のすることなら大抵許してしまう陽介だが、今回のことは流石に矜持を損ねるものだった。堪えられない涙がじんわりと眦に浮かぶ。孝介は珍しく動揺したようで、何かを口に出そうとしては言葉にできず黙るのを繰り返していた。
(ざまあみろ。俺の気持も考えろってんだ!)
ごし、と乱暴に目元を拭う。横に置いてあったコートと鞄を手に取り、陽介は立とうとした。だがそれよりも早く、隣に移動してきた孝介に腕を掴まれ、強引に席に戻される。
「離せよっ!」
「――陽介、ごめん」
きゅ、と抱き締められ、陽介の息が詰まる。孝介の声はとても苦しそうだった。自業自得なのに、彼に苦しみを与えているのが自分だと思うと胸が痛くなる。
「やめろよ、人が見てるだろ」
「大丈夫、ただの痴話喧嘩にしか見えないよ。…俺、陽介と普通にデートしたかったんだ。誰に憚ることもなく手を繋いで、買い物して、ご飯食べて、キスして。女がいいって言ってる訳じゃないよ。俺は陽介以外いらないし。ただ、流石に男の恰好のままで手を繋いだりキスしたりはできないだろ。いや俺は構わないんだけど、陽介は嫌がるだろうから」
「当たり前だろーが!!!」
ようやく目線を合わせた陽介に、孝介は安心したように微笑む。
「ごめん。俺、あんまりにも陽介が可愛いし、楽しいしで浮かれてた。俺だけが楽しいんじゃ意味ないから、今日はもう帰ろうか」
す、と孝介の体が離れる。ここで一言「うん」と言えば、この酷く尊厳を傷付ける格好からは解放される。けれども、孝介の願いなら叶えてやりたいと思うし、なにより、彼の想いと自分の想いは同じだ。手を繋いで、キスして、正々堂々恋人同士として街を歩きたい。ここで自分が折れてその願いが叶うのなら、ちっぽけなプライドなんか忘れようと陽介は決意した。
離れかけた孝介の腕を掴み、引き寄せる。軽く眼を張る彼の耳元に顔を寄せ、陽介はちいさな声で言った。
「……今日一日だけなら、この格好でデートに付き合ってやる。しっかりエスコートしやがれ!」
孝介はふわり、と花がほころぶような笑みを見せた。



店の開店時間までファーストフードで時間を潰したあと、駅前のデパートで冬物の服を見る。喋らなければ面白いくらいに誰も陽介を男だと気付かなかった。
そこそこお洒落なイタリアンで昼食を採り、午後の予定を話し合う。考える孝介に、陽介はおずおずと切り出した。
「あのさ。…やっぱり、人前で喋れないっていうの、結構シンドいんだわ。行くならカラオケとかにしねぇ?」
「そうだな。どこか二人きりになれる所へ行こうか」

「……………で、どうして、こうなるんですかね?」
クイーンサイズのベッドの上で孝介に押し倒され、陽介は精一杯圧し掛かる男を睨み付けながら尋ねた。
「え?ご希望通りの場所だと思うんだけど」
「誰が!ラブホに!連れてけって言ったんだよ!!フツーはカラオケとかネットカフェとかだろ?!」
「だって両方とも、淫らな行為に及んだら追い出されるだろ。俺は陽介としたいんだから仕方ない」
「仕方なく、ねー!!!ちっとは自重しろ自重!!」
「できません」
そう身長は変わらないのに、筋肉の付きにくい陽介と、細身だが綺麗に筋肉の付いている孝介とではかなりの力の差がある。暴れる陽介を抑え込み、孝介は無理矢理に唇を重ねる。強引に吐息を奪えば、快楽に慣らされた体から徐々に力が抜けていった。片手で耳を弄りながら、もう片手で器用にブーツを脱がせ、ジーンズをずり下げる。まだ温まりきっていない部屋の空気に肌が触れ、陽介はぴくりと体を震わせた。
「今日は俺の我儘を聞いてくれたお礼に、思いっきり気持ち良くしてあげるから」
相手の返事を待たず、すらりとした足から下着ごとジーンズを引き抜く。ロングセーターをまくり上げ、両足を大きく開かると、孝介は股の間に顔を埋めた。熱くぬめった咥内に己を含まれ陽介は喘ぐ。
「ひっ…!あっ、や…!」
「いっぱい声出していいよ。いつも我慢してるだろ?陽介の声聞きたい」
舌先で先端を突き、同時に手で根元を擦る。時折袋を揉む。緩急を付けて吸う。咥えたものは面白いように質量を増し、太股がぶるぶると震えた。口の中に青臭い味を感じるが、何の躊躇いもなく孝介は愛撫を続ける。
「なぁ、せめてシャ、ワ、あっ、んッ」
「これが終わったら、な」
しっかりと立ち上がったものから一度口を放し、今度は下から上へと見せつけるように舐め上げる。上目遣いで陽介を見れば、彼は羞恥と快楽で頬を真っ赤にしていた。濡れた口元と眦がいやらしい。己のものがずくり、と疼いたが、今は陽介を気持ちよくすることだけに集中する。
視線に気付いた陽介は、必死に孝介の頭を退けようと腕を伸ばしてきたが、頭に添えられたその指には殆ど力が入っていない。唾液と先走りですでにぐちゃぐちゃになったものを掌で握り込み、孝介は体を伸ばして噛み付くように口付けた。
「ふっ…ん、っ」
おずおずと伸ばされた舌を絡め取り、同時に下も攻め立てる。あがる嬌声と、震える体が感じている快楽の強さを教えてくれた。粘液のこすれあうぐちゅぐちゅという卑猥な音がやけに大きく響く。陽介は羞恥に耳を塞ぎたくなったが、自分を組み敷く男はそれを許してはくれない。せめてとばかりに顔を背けたが、今度は耳に舌を差し込まれ、湧き上がる疼きに陽介は声を上げた。
「ひっ、あッ」
「陽介、耳スキだよね。かわいい」
甘噛みされ、息を吹き込まれ、自分でも信じられないほどの高く甘い声が出る。下半身の刺激は止まない。自分でするよりも遥かに強い快感に頭が真っ白になる。
(ホント、かわいい)
唯一身に纏ったセーターがずれ、綺麗な鎖骨と肩が露わになっている。しっとりと汗ばんだ項にはウィッグが絡み、化粧もあいまって本当に女を抱いているようだ。だが組み敷いた体は間違いなく男の、陽介のもので、そのことに孝介は安堵する。
(陽介が女だったら、孕むまで中出ししてこの先の人生全部俺のものにするのに。…でも、やっぱり陽介は陽介のままが、いいや)
「こう、すけッ、もぉ…!」
「いいよ、イッて」
背筋をぞくぞくとしたものが駆け上がる。きゅ、と強く己を握られ、陽介は白濁を孝介の手の中に勢いよく吐き出した。



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