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ココアがあれば ※R-18

※R-18、陽介女体化(後天)注意
★Thanks 10000hit!
女の子の日がこなくてできちゃった?!かもなにょた村(奈月さま) ※ご本人様のみお持ち帰り自由です
遅くなりましたがリクエスト消化第一弾です。またライトなノリでやればいいものを至極真面目にやってしまったので痛々しいことこの上なしです…。

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土曜日の朝、まだ人気のそう多くない沖奈の街を、陽介は一人で歩いていた。
寒風が路面を這い、人々が寒そうに体を縮込ませる中、彼女の足は迷うことなくただ一点を目指して進んでゆく。やがて開店直後のドラッグストアの前で足を止めると、ひとつ大きな深呼吸をして足を踏み入れた。その顔は青白く、悲壮な決意に満ちている。
(孝介には…絶対にバレる訳にはいかねぇ…)




**********




その日は朝から曇っており、天気予報も曇りだった。
陽介が教師から雑用を頼まれていたため、少し遅れながらもいつものように下校していた二人だったが、突然降り始めた雨に古びたバス亭に慌てて避難する。空はどんどん黒く、雲は厚くなり、雨の礫はあっという間に槍のように激しくなった。
「うわー、これじゃしばらく帰れないな」
お気に入りのヘッドホンの水気を拭ってバッグに仕舞った陽介が、髪から雫を滴らせながら呟く。トタン屋根と三方を囲む薄い板、小さなベンチが置かれただけのバス亭だが、ずぶ濡れになるよりは随分とましだ。
「孝介、傘持ってる?」
「折りたたみならある。けど、これだけ降ってたら傘も意味ないだろ」
錆びて読みづらくなっている時刻表を確認しながら孝介は答えた。バスは行ったばかりで、次の便は19時過ぎまで来ない。辺りに民家はなく、この大雨の中をで歩く酔狂な人間もいないようで、周囲に人の気配はなかった。
「だな。仕方ねーから、少し雨脚弱まるまでここでのんびりすっか」
振り向いたところに立っていた陽介の姿を見た瞬間、孝介の中で理性の箍が弾けた。
雨に濡れて色の変わってしまった制服はぴたりと肌に張り付き、その細くやわらかなラインを顕にしている。身につけた下着の線すら明らかだ。濡れた髪が項に張り付く様が妙に艶めかしい。そして上目使いにこちらを見上げている陽介の、赤くふっくらとした唇がいやに煽動的に孝介の目には映った。どくり、と下半身に熱が集まる。
「?孝介?」
答えのない相棒の様子をいぶかしんだ陽介が伸ばしてきた手を、孝介は掴んで体を抱き寄せた。そしてそのまま唇を貪る。片腕は腰をしっかりとホールドし、もう片腕は後ろ頭を固定して、熱くぬめった口内を思うさま蹂躙する。
「んっ、ちょ、孝介…?!」
戸惑うような陽介の声を無視し、孝介は肌に張り付いた布地を剥がすように、制服の裾から手を侵入させる。濡れて冷たくなった孝介の手よりも、陽介の肌は冷え切っていた。
「ひゃ!お前、なに」
「陽介、すごい冷めたい。あっためてあげる」
キスを止め、代わりに耳を愛撫しながら脇腹に手を滑らす。陽介は必死に堪えようとしているが、耳が弱い彼女はすぐに体を震わせ甘い声を漏らし始めた。ぐ、と少し強い力で下着の上から胸を揉む。
「あっ!」
下着をずらし、尖りを摘まんで玩べば、そこは面白いくらいにすぐ尖った。まだ触ってもいないもう片方の丘が形を変えているのが、肌に張り付いた布地のせいですぐに分かる。片方を手で愛撫しながら、孝介はもう片方を服の上から口に含む。雨の味がした。
「こ、孝介!こんなトコで…」
「大丈夫、誰も来ないよ…ねぇ、ダメ?我慢できない」
明らかな情欲を篭もらせた瞳と低い声を向けられ、陽介は体が熱くなった。その視線で見つめられるだけで下肢がじんと痺れてくる。
(ちくしょう、格好いい)
返事をするのは恥ずかしくて、代わりにちいさく頷くと、孝介は蕩けるような甘い笑顔と声で「ありがとう」と言った。それだけで腰が砕けそうだった。力の抜けた陽介の体を片腕で易々と支え、孝介は大胆にスカートの中へもう片方の手を侵入させる。奥まった場所をつう、と撫でられ、途端にはしった刺激に陽介は体を震わせた。
「もう濡れてる。興奮、してる?」
「…バカ、言うなよ…」
声に混じる笑みの気配に泣きそうになりながら反論すると、すぐに謝罪と共にやさしいキスが降ってくる。いつも通りの優しい彼氏の愛撫だ。ただ、場所がいつも通りでないだけで。それだけで確かに興奮している自分を陽介は認めざるを得なかった。目の前の男もそうなのだろう。
「ひっ…!あんっ」
しっとりと濡れた下着の隙間から、熟れた芽を男の指がなぞる。じわじわとした快感が湧きおこり陽介は身悶えた。しかし熱はそれ以上高められることなく、ひくひくと収縮を繰り返している蕾に指が移動する。く、と指が一本侵入してきたが、慣らされた陽介の中は殆ど抵抗なくそれを受け入れた。
「陽介の中、すごく熱い。早く入れたい」
孝介が珍しく興奮に上ずった声で囁く。耳に息がかかり、それだけで陽介は感じてしまい、咥えた指を締め付けてしまった。彼はくすりと笑うと指を二本に増やし、抜き差しを始める。しかし立ったままの姿勢では奥まで指が届かず、いつも触れてくれる一番いいところには届かない。陽介はじれったさに体を震わせた。
「こ、すけ…」
「うん。陽介、壁に手、付いて。そう」
陽介に壁に両手を付かせると、尻を突き出すような形を取らせ素早く彼女の下着を下ろす。スカートをたくし上げ、既にぐちょぐちょになっている秘部に指を突き立て、掻き回した。粘膜が空気と混ざる卑猥な水音が響き、陽介は恥ずかしさに耳を覆いたくなる。けれども手を離せば崩れ落ちてしまいそうで、下半身を苛む快楽に彼女は鳴くしかなかった。
「もお、いいから…!早く、お前の、入れて…!」
孝介が指を抜く。待ち望んだ熱と質量が与えられると期待していた陽介は、しかし暫く待っても訪れないその瞬間に首を廻らせた。薄暗い視界の中、涙の膜に下で孝介がとてもばつのわるそうな顔をしているのが見える。
「…ごめん陽介、ゴムがない。指でいい?」
陽介の腰を抱え込み、指での愛撫を再開しようとした孝介を、彼女は真っ赤になりながら押し留める。
「な、中で出さなければ、いいから!その…お前のが、いい。一緒に、イきた…」
次の瞬間、期待していた以上の楔が打ち込まれ、陽介はここが外だということも忘れて強すぎる快楽に喘いだ。いつもは顔が見えるよう正面からだが、今日は背後から獣のような荒い息遣いを感じる。後ろから貫かれ、孝介に支配されたような感覚さえ覚える。
「ひっ、あ、あんっ!そこ、だめぇ…!!」
「っ、陽介、そんなに締めつけられたら…!」
達する瞬間、抜こうとした孝介自身をきつく締めあげてしまい、気付けば胎内に熱い迸りを感じていた。頭のどこかで理性が警笛を鳴らしているのに、その熱さを気持ちいいと陽介は思ってしまった。




**********




(結局、あの後、後始末で興奮したアイツが納まらなくて、俺の家で…じゃなくて!やっぱりアレがいけなかったんだよな…)
あれから二ヶ月ほど経っているが、以来月のものが来ていない。それとなく雪子達に聞いてみたり、本やインターネットで調べたところ、ホルモンバランスによっては遅れることはままあるらしいが、思いあたる原因がある以上、確かめなければ不安でたまらなかった。
万が一、妊娠していたら――その可能性を思いついてからというもの、陽介はろくに眠れずにいる。月経がある以上、子供を産める体になっているのだ。孝介との子供であることは間違えないが、彼も自分も高校生で、子供を養うことはできない。それ以前に事件は、学校は、今の生活はどうするのか。中絶するしかないのだろうか。だが生まれようとする命を自分達の都合で殺すことなど、陽介にはできそうになかった。それでは稲羽を震撼させている連続殺人事件の犯人と何も変わらない。何より、孝介がどういう反応をするのかが陽介には怖かった。だから孝介には相談できなかった。
(男だったくせに女になっちゃったし、挙句に子供まできちゃったら。気持ち悪いとか、面倒だとか、思われちゃうかな)
重い足を叱咤し、陽介は目的の棚の前に辿り着く。思った以上に沢山種類があり、どれを買うべきか戸惑っていると、頭上から聞き慣れた声が降ってきて陽介は身を凍らせた。
「――陽介。どうして相談してくれなかったの」
振り向かなくても、背後から漂ってくる絶対零度の空気で分かる。後ろにいる彼は今とてつもなく怒っている。それでも無視する訳にも行かず、必死の思いで振り向くと、案の定、そこには月森孝介が立っていた。いつもながらすっきりとした男前だが、声は冷たく、眉間には隠そうともしない皺が寄っている。
「な、なななんでお前、ここに」
「最近、陽介の様子がおかしかったら、クマに頼んで報告してもらってたんだよ。そしたら今日、オレの誘いを断ったくせに沖奈へ行くっていうからつけてきた」
彼の行為は立派なプライバシーの侵害だが、今の陽介には突っ込む余裕もなかった。硬直したまま動かない陽介に孝介は溜め息を吐くと、商品を陳列していた店員を呼んでどれを買うべきか尋ね、進められたものを手に取ってさっさとレジへ歩き出す。いくら落ち着いた雰囲気から実年齢より上に見られるとはいえ、男子高校生が妊娠検査薬を買うのは相当勇気がいるだろう。だが彼は全く躊躇しなかった。
「陽介」
当たり前のように伸ばされた腕を、陽介は涙を堪えて掴んだ。



沖奈からの帰り道は、殆ど無言だった。けれども孝介は繋いだ手を振り払うことも、放すこともしなかった。それだけが陽介には救いだった。
稲羽に着いて、そのまま強引に堂島家に連行される。家には誰もいなかった。はい、とドラッグストアの袋を渡されたところを見ると、今調べてこいということなのだろう。のろのろとトイレに向かった陽介の背中を見送った後、孝介は居間でじっと待っていた。暖房を付けていない家の中の温度は、外と大して変わらない。今日は随分と冷え込んでいる。暖かい飲み物でも用意して待とうかと考え、陽介が好きなココアの缶に目をやったが、今は手元不如意になりそうなのでやめておいた。
随分と長い時間の後――孝介がそう感じただけで、実際には数分かもしれないが――出てきた陽介は、検査具を握りしめて泣きそうな顔をしていた。
「だ、だいじょうぶ、だった…」
そのままぺたり、と床にへたり込んだ体を引っ張り上げ、二階の自室へ移動する。念のため孝介も確認したが、妊娠を現すラインは確かに陰性だった。思わず安堵の息を漏らす。ソファに並んで座った陽介は、俯いたままこちらを見ようとはしない。どうせまた、あることないこと先回りして考えて落ち込んでいるのだろう。孝介は強引に細い肩を掴んで自分の方を向かせてる。
「陽介。こっち見て」
「…」
「陽介」
のろのろと顔を上げた陽介は、うっすらと目に涙を溜めていた。彼女に泣かれるのが孝介は一番弱い。条件反射のように腕を回し、華奢な体を抱き締める。陽介は始めは緊張していたが、ゆっくりと背中を撫でてやると、やがてちいさく嗚咽が漏れてきた。先程までの苛立ちはすうと退いてゆき、かわりにいとおしさが溢れて来る。
「ねぇ、陽介。オレが怒ってたのは、お前がオレに相談してくれなかったことだけだよ。…セックスしてるんだ、お前の生理がいつ来たかくらいちゃんと把握してるし、もし子供ができたら責任取るつもりでいる。じゃないと手なんて出さないよ」
しゃくりあげる陽介に、孝介は続ける。
「女の人の体のことはよく分からないけど、周期が崩れることはよくあるみたいだから、もう少し経っても来ないようなら天城か誰かに頼んで一緒に婦人科に行ってもらうつもりだった。だからそこまで心配してなかったんだけど…ああ、あの時、か。ごめん。安全期だと思ってたんだけど、可能性はゼロじゃないもんな」
孝介は何度も「ごめん」と謝る。抱き締めてくれるだけで、そう言ってくれるだけで、もう何もいらないと陽介は思った。けれども口は裏腹に、溜め込んでいた恐れを吐露してしまう。
「俺っ、こわく、て!お前に、いらないって、言われちゃったら、どうしよう、って」
「本当にごめん。怖かったよな。…ちょっと、やつあたりした。陽介を不安にさせたオレ自身に。オレはお前がいないとだめなんだよ。もうこういうこと、ないようにするから。だから、オレの傍にいてくれる?」
少し体を放し、涙でぐちゃぐちゃになった顔を覗き込んで問えば、陽介はこくり、と頷いてくれた。安堵に表情を和らげた孝介は、触れるだけのやさしいキスをいくつも降らせる。くすぐったそうに身を捩る陽介をきゅうと抱き締め、孝介はこの温もりを失わずに済んだ僥倖に感謝した。もっともっと大切にしようと、そう思った。

「お詫びにもならないけど、何かして欲しいこと、ある?」
陽介は少し考えた後、「あったかいココアが飲みたい」と呟いた。ささやか過ぎる願いを叶える為にソファから立ち上がった孝介のシャツの裾を掴み、彼女は顔を真っ赤にして言う。
「この部屋、さむい。…あったかく、して」
彼女がココアよりも熱く甘く蕩かされたことは、言うまでもない。




END

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