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明日美さんより誕生日お祝い小説 ※頂き物

明日美さんから10万ヒットお祝いの続きで誕生日祝いまでいただいてしまいました…!ひえええええ!!(嬉しい悲鳴)どうもありがとうございますv

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「あ、最近忙しいからすっかり忘れてた」
「何を?」
珍しく二人とも予定のない一日、唐突にそうつぶやいた孝介に、陽介は首を傾げながら訪ねる。うん、と孝介はうなずいて。
「今日、俺、誕生日だなって」
「へええー、誕生日かあ。…誕生日いぃぃぃぃ!?」
「予想通りの反応、ありがとう」
目を見開いて叫びながら数歩下がって驚く陽介のそのオーバーリアクションを、内心可愛いなあとにやにやしながら(しかしそれを表には出さず)孝介は笑みを浮かべる。
「ばっか、何でもっと早く言わねーんだよ!」
「だから忘れてたんだって」
「どーやったら自分の誕生日忘れられんだよ!しかも当日にカミングアウトとか!どーすんだよ、プレゼントなんにも用意してねえっつーの!」
クリスマスに引き続きまさかの大失態…!と頭を抱える陽介を、まあまあ、と孝介はなだめる。
「気にしないし。というか、俺が言ってなかったんだから」
「俺が、お前の誕生日を祝いたいの!あーもーバッカやろう!…おめっとさん!」
「うん、ありがとう陽介」
感謝の言葉とともに向けられた笑顔が、とてもうれしそうで。余計に、何でもっと早く誕生日を聞いておかなかったんだ、俺!と陽介は後悔する。
「…そーだ!今日は暇だしさ、お前が欲しいもの、なんか買ってやるよ!」
「え」
「ほら、遠慮するなって!俺が用意できるものなら、なんだっていいからさ!」
な、と促せば、本当になんでもいいの?と孝介が訝しげに問う。本当だって、と、もう一度念を押せば。
「…そっか。本当に、ありがとう、陽介」
また、いい笑顔が返ってくる。
 ―――――一瞬で前言撤回したくなる、「いい」笑顔が。
「…え、ちょ、あの、孝介…?」
「よかった。実は俺、今日行きたいところがあってさ」
「おーい?先が読める展開なんですけど?もしもし月森さーん?」
「なんでもいいんだろ?つき合ってくれるよな?」
にっこり。
 さっきの恐怖を煽るオーラ+「お前何でもって言ったよな」という言葉にならない無言の圧力をかけられては、もはや陽介には否とは言えない。せめてもの抵抗に無言を貫いたが、それでは孝介にとっては肯定と同じようなものだった。
「陽介、沖奈に行こう。ラブホに行って朝帰りしよう。俺がお金出すから」
「そんなことじゃねえかと思ったよ!」
「来てくれるだろ?…な、プレゼント」
ぽん、と肩に手をおかれて、うう、と陽介は唸る。恥ずかしくて頷きたくない。だが、
「ね?」
こうまで言葉を求められてしまえば、―――――根負けするのは、いつも陽介の方だった。
「…今日だけ、だからなっ!誕生日だから、特別なんだからな!」
「わかった。じゃあ、今日は特別忘れられない日にする」
「…お願い頼むから手加減して…」
「善処する。さ、行こうヤろう陽介」
「もーちょっとオブラートに包んでお願いだから!」
明らかにテンションが上がりまくっている相棒が恥ずかしいやら、そんな様子すらちょっとうれしいと思ってしまう自分が情けないやら、複雑な気持ちを抱きつつ、陽介は引きずられるように駅への道を歩くのだった。

 


「当日に言えば、陽介何でも聞いてくれるかなって思ってたんだよね」
「まさかの確信犯!?」

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